MeeGoとQtのセミナーに参加してきました(1)

MeeGo Seminar Winter 2010(12月9日 東京ミッドタウン)とQt Conference-Tokyo 2010(12月10日秋葉原 UDX ギャラリー)に参加してきました。

  

両方ともほとんど満席の盛況で、Jim Zemlin氏によるMeeGoのコンセプトを中心に据えた基調講演は素晴らしく、MeeGoの今後に大きな期待を抱かせるものでした。
またそれに続くノキアとインテルの技術者によるMeeGOプロジェクト、MeeGoアーキテクチャについての2つのプレゼンテーションも非常に有益でした。
2日目のQtの方は朝出遅れてしまい、冒頭の基調講演を逃したのが悔やまれますが、ノキアの技術者によるQt Quickによるアニメーション作成のプレゼンテーションはなかなか興味深かいものでした。まだQt SDKをちょっと触ってみただけ、という私の経験不足もあって、他のプレゼンは今ひとつピンと来ない感じでしたがこれから色々と試してみようと思います。

セミナーのレポートをまとめようと思ったのですが、正確さに欠けると良くないのでレポートではなく、以下、セミナーで得た知識をもとにした私流のまとめ、という形にします。まずはJim Zemlin氏の基調講演を基に。

MeeGoとは?

  • MeeGoは、あらゆるデバイス/機器がネットに接続されて、人々がいつでもどこからでもアクセスできる時代の、携帯通信機器(Handset)、ネットブック(Netbook)、 エントリレベルのデスクトップPC、車載情報システム(IVI)、ネットワーク接続テレビ(Connected TV)、メディアフォンなど、広範なデバイス/機器のための次世代プラットフォーム。現在、MeeGoの他にスマートフォン用OSのような特定用途向けのものはあるが、このように最初からユニバーサルなOSとして設計されたものは他にはなくMeeGoだけ。
  • 広範なデバイス/機器に対応する上でプロプライエタリなOSは適しておらず、急速で多様な技術革新を1社だけではカバーできず、オープンソースでこそ実現できる。
  • MeeGoプロジェクトは世界最大のチップメーカーであるインテルと、 世界最大のモバイル ハンドセットメーカーであるノキアによって開設されたが、Linuxベースの完全なオープンソースのプロジェクトであり、だれでも参加し、だれでも利用できる。
  • 大規模なオープンソースプロジェクトの問題点であるフラグメンテーション(断片化)をコンプライアンスプログラムを用意することにより解決する。
  • MeeGoは複数のユーザエクスペリエンス(User Experience)を持ち、様々なアップストリームプロダクト(Upstream Product)を含むエコシステム(Ecosystem)である。
  • アプリケーションはMeeGo APIを提供するQt(キュート)で開発できる。

用語:
 ・ユーザエクスペリエンス (ウィキペディアより抜粋)

http://ja.wikipedia.org/wiki/ユーザーエクスペリエンスデザイン

ユーザーエクスペリエンスデザインとは、カナダのトロント大学の助教授であったビル・バクストンが提唱したユーザー・インターフェースの設計理論。その後、ユーザーエクスペリエンスという用語は一般化し、エクスペリエンス設計の一種として定着、ユーザーのデジタル機器/システムに対する見方に影響を与えるようなアーキテクチャやインタラクションモデルの生成に関する手法となった。

ユーザーエクスペリエンス(UXと略記されることが多い)とは、ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足など全体を指す用語である。

* MeeGo1.1では Handset UX 1.1、Netbook UX 1.1、In-Vehicle Infotainment (IVI) UX 1.1 の3種類のUXが提供されています。

 ・Upstream (一般には"上流"と訳されるが、ソフトウェア開発の分野での使われ方をウィキペディアから抜粋すると、)

http://en.wikipedia.org/wiki/Upstream_(software_development)

In software development, upstream refers to a direction toward the original authors or maintainers of software that is distributed as source code, and is a qualification of either a bug or a patch. A patch sent upstream, i.e. offered to the original authors or maintainers of the software the patch applies to, would be targeted at being included in (a future release of) the original software instead of being maintained by a distribution's maintainer of said software. This would allow other distributions to benefit from it when they pick up the future release. The term also pertains to bugs – responsibility for a bug is said to lie upstream when it is not caused through the distribution's porting and integration efforts.

* MeeGoには以下のようなたくさんのアップストリームプロダクトが含まれています。(http://wiki.meego.com/images/MeeGo_Introduction.pdf より)

BlueZ、 ContextKit、 Gstreamer、 Linux Kernel、 SyncEvolution、
Cairo、 Bus、 GTK、 oFono、 Telepathy、
Chromium、 Fennec、 GUPnP、 Pango、 Tracker、
Clutter、 Gecko、 Kernel Drivers、 Pulseaudio、 WebKit、
Connman、 GeoClue、 libsocialweb、 Qt、 X.Org、

 ・エコシステム ( 一般には"生態系"と訳されるが、@ITの記事から抜粋すると、)

http://www.atmarkit.co.jp/news/analysis/200306/24/eco.html

一般的な辞書に載っている意味は「植物、動物又は微生物の群集とこれを取り巻く非生物的な環境とが相互に作用して1つの機能的な単位を成す動的な複合体」を指す。それがIT業界では、オープンな標準に則したビルディングブロック(製品)をニーズに沿って組み合わせることと同時に、製品それぞれが相互に連携し合いながら、1つのソリューションとして存在することを示している

* MeeGoではたくさんのアップストリームプロダクトを含めたソフトウェア同士が互いに協調、連携し合いながら動作する、というイメージでしょうか。
* リチャード・ストールマンはエコシステムという言葉を使うことに反対しています。
   http://en.wikipedia.org/wiki/Software_ecosystem
   => Objection to the use of the term Ecosystem to describe software

このコンセプトが、高機能、高品質な製品として実装されたならば、きっとMeeGoは世の中で最も多くの人々に使われるOSとなることでしょう。
(ほとんどの人たちにとって、もうMS-Windowsを使う意味はなくなって来る。)
来年の上半期にはMeeGo搭載のスマートフォンの新製品が出るようです。(ネットを検索すると、年内の発売を期待していたMeeGo愛好者は多かったようです。私もその一人でした。。)

以下の写真はセミナーで配られたノベルティです。(写真の下の方は4GBのUSBメモリー)
  
2日目のQtセミナーでは昼になかなかのお弁当が出ました。2つの素晴らしい無料セミナーに参加できて、ノベルティ・グッズをもらって、お弁当まであって、なんだか申し訳ない気分でした。。
(抽選で、ネットブックや、タブレットや、Qt開発者資格トレーニング無料券や、Tシャツが当たった人もいました。)

次回のブログ記事 (2)ではセミナーの内容を基に、MeeGo プロジェクト、MeeGoアーキテクチャ、Qt Quickについて簡単にまとめる予定です。